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民藝の作家
書画
近代工芸
芹澤 銈介 「型染 雛道具紙雛図幅」
共箱
幅69cm 長さ195cm
昭和
人間国宝
本作は、人間国宝・芹沢銈介が型染技法によって制作した「雛道具紙雛図」の掛幅です。
鹿児島に伝わる郷土玩具「糸雛（いとびな）」をモデルとした図柄で、糸雛特有の素朴さと可憐さを、芹沢ならではの明快な色使いと緻密な文様表現で生き生きと描き出しています。
中央上部には愛らしい紙雛が据えられ、その下に雛道具が彩り豊かに配置されています。型染による力強い線と鮮烈な色面が調和し、民藝の精神と芹沢の美意識が見事に結実しています。
芹沢は仙台に住む初孫のために本作のような雛道具紙雛図を制作し、軸装して贈ったと言われています。家族への想いが託された、ほのぼのとした温情がにじむ一点です。
表具は淡い若草色の裂地を用い、作品の明るい色調と調和しながら、上品で柔和な雰囲気を添えています。季節の掛物としてはもちろん、和洋いずれの空間にも溶け込む、芹沢銈介らしさあふれる掛幅です。
芹澤 銈介
1895（明治28）年 - 1984（昭和59）年
静岡市生まれ。東京高等学校図案科卒業後、生涯の師である柳宗悦と沖縄の染物紅型に出会ったことにより型染めを中心とした道に進む。1956年、人間国宝に認定。
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