











共箱
昭和
人間国宝
口径11.5cm 胴径18cm 高さ15.5cm
近代日本の陶芸界に「民藝」の精神を深く根付かせ、1955年に第一回の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された巨匠・濱田庄司(1894年 - 1978年)による、重厚さと用の美を兼ね備えた飴釉切込水指です。
本作の大きな見どころは、飴釉の深く豊かな表情です。漆黒に近い深い焦げ茶から、蜂蜜のような透明感のある琥珀色へと移り変わる釉調は、登窯の炎と鉄釉が織りなす極めて自然で力強い美しさを湛えています。
どっしりと大地に根を張るような大らかな器体には、横方向に大胆な切込が施されており、このシンプルな意匠が単調さを排し、造形全体に心地よい緊張感と現代的なリズムを生み出しています。
共蓋のつまみ部分の素朴な造作に至るまで、作為や無駄な装飾を削ぎ落とした健康的な美しさが息づいており、茶席の主役として圧倒的な存在感を放ちます。
本作は格式高い茶席の水指としてはもちろん、蓋を外して大振りの枝ものを活ける「花器」として、あるいはモダンな空間を彩る「オブジェ」として、所有される方の自由な見立てで現代の暮らしの中に美しく溶け込みます。
濱田庄司が追求し続けた手仕事の美と、用の美が完璧に融合した、コレクション価値の極めて高い名作です。
濱田 庄司
1894(明治27)年‐1978(昭和53)年
神奈川県生まれ。東京高等工業学校(現東京工業大学)窯業科に入学、板谷波山に師事。同校を卒業後は、河井寛次郎と共に京都市立陶芸試験場にて主に釉薬の研究を行う。この頃、柳宗悦、富本憲吉、バーナード・リーチの知遇を得る。大正9年、イギリスに帰国するリーチに同行、共同してセント・アイヴスに築窯。大正13年、帰国し、沖縄 壺屋窯などで学び、その後、栃木県益子町で作陶を開始。昭和30年、人間国宝に認定。
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