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井上 萬二

井上 萬二

1929 -

佐賀県西松浦郡有田町出身。

1952年頃、14代酒井田柿右衛門(「色絵磁器」人間国宝)、奥川忠右衛門

(「白磁の大型つぼ製作技術」人間国宝)らに師事、白磁制作の技法を習得した。

1958年から県立有田窯業試験場に勤務しながら磁器の成形、釉薬の研究を重ね、伝統的な白磁制作技法を極めた。

1969年、ペンシルベニア州立大学から有田焼の講師として招かれて渡米し、5ヶ月間担当した。海外での活動はドイツなどでの個展や2002年3月のモナコ国王の在位45年記念の展覧会など、多岐にわたっている。

1968年、第15回日本伝統工芸展で初入選を果たす。

1977年に全国伝統的工芸品展通産大臣賞、

1987年には第34回日本伝統工芸展で文部大臣賞を受賞した。

1997年には重要無形文化財「白磁」保持者に認定される。

2007年時点、有田町で息子の井上康徳と共に井上萬二窯と平屋建てのギャラリーを構えている。華やかな絵付けが中心の有田焼の中で、白磁に徹するという独特の制作を続けている。教え子は既に500人、アメリカでも150人を超え、なお後進の育成にも力を注いでいる。