井上 萬二
1929年(昭和4)-
佐賀県有田町に生まれる。1952年頃、十四代酒井田柿右衛門および奥川忠右衛門という人間国宝のもとで学び、伝統的な白磁の技法を習得する。
1958年から佐賀県立有田窯業試験場に勤務し、磁器の成形や釉薬の研究に取り組む。1969年には、アメリカ・ペンシルベニア州立大学に招かれ、5ヶ月間有田焼を指導した。
その後、ドイツやモナコなど各国で個展を開催し、国際的な評価を得る。1968年、日本伝統工芸展に初入選し、1977年には通商産業大臣賞、1987年には文部大臣賞を受賞。
1997年、「白磁」の分野で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。
2007年時点では、有田町の井上萬二窯で、息子の井上康徳とともに白磁制作を続けている。これまでに500人以上の弟子を育てており、そのうち150人以上はアメリカで指導したもので、現在も後進の育成に力を注いでいる。