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須恵器

須恵器とは、古墳時代中期(5世紀初頭)に朝鮮半島から伝わった焼成技術を用いて作られた、青みがかった硬い土器のことを指します。それ以前の日本には、野焼きで焼かれた縄文土器、弥生土器、土師器など、赤みを帯びた素焼きの土器が主流でした。

 

須恵器とそれ以前の土器との大きな違いは、その焼成技術にあります。野焼きは約1000度まで温度が上がることもありますが、火がむき出しのため熱がすぐに逃げて温度が安定しません。一方、窯を使うことで、高温をより長く安定して保つことが可能になりました。

 

須恵器は急速に日本全国に広まり、多く焼かれるようになりました。当時の人々にとって重要な食器として使われていたことでしょう。須恵器の伝統は15世紀まで続き、その一例として珠洲焼が挙げられます。須恵器は今日に続く日本の陶磁器の発展において重要な役割を果たしたと言えます。