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物故作家
近代工芸
田村 耕一「鶴文陶筥」









共箱
昭和
人間国宝
縦10cm 横15cm 高さ10.5cm
重要無形文化財「鉄絵」の保持者(人間国宝)であり、近代日本の陶芸界において独自の叙情的な世界を確立した巨匠、田村耕一(1918年 - 1987年)による風格ある陶筥です。
しっかりとした存在感を放つ長方形の器体には、滋味深い失透性の釉薬が掛けられており、穏やかで温かみのある地肌を形成しています。蓋の表面には、田村耕一の代名詞とも言える、簡素化されつつも生命力に満ちた「鶴」の文様がスタイリッシュな線刻で表現されており、モダンなグラフィックデザインのような洗練された美しさへと昇華されています。
また、筥の蓋の裏面には、中央に勢いのある力強いタッチの絵付けが施されているほか、右側に「七月七日」、左側に「昭和四七」と作家自らの筆で書き込まれています。巨匠が昭和47年(1972年)の七夕の日に想いを馳せて制作したことが分かる、極めてドラマチックで貴重な作品です。
高台には、「耕」の印があります。
用の美を兼ね備えたサイズ感でありながら、置物(オブジェ)としても空間に圧倒的な芸術的品格をもたらします。
田村 耕一
1918(大正7)年 - 1987(昭和62)年
富本憲吉に師事。昭和28 年、郷里の栃木県佐野に築窯。日本伝統工芸展などで活躍した。鉄絵の技法を基本にして独自の作風をきずき、イスタンブール国際陶芸展グランプリなど、国内外での受賞多数。51 年、母校 東京芸大の教授。61 年、鉄絵で人間国宝。
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