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縄文象嵌(縄象嵌)

縄文象嵌(縄象嵌)は、作品に縄目模様を施し、その溝に異なる色の粘土をはめ込む装飾的な陶芸技法です。

 

この技法は、島岡達三によって考案されました。彼は、窯業指導所で教材模型を作る際に研究した縄文時代の土器の文様付けと、朝鮮王朝時代の象嵌技法である「三島手」から着想を得ました。

これらの影響を融合させるきっかけとなったのは、彼の父が作っていた絹の組紐でした。島岡はこの組紐を半乾きの粘土の表面に転がして縄目のような模様をつけ、その溝に白化粧土を埋め込むことで、縄文象嵌の技法を完成させました。

 

制作工程は、まず作品を成形し、半乾き(革のような硬さ)になるまで乾燥させます。次に、縄や組紐を転がして模様をつけます。

その後、作品全体に白化粧土を塗り、凹んだ部分を埋めます。完全に乾燥したら、表面を薄く削り取ります。すると、凹みにだけ白化粧土が残り、元の平らな部分は化粧土が剥がれて素地が現れ、模様が浮かび上がります。