八仙人(Ba Xian)は、道教において最も象徴的な存在の一つであり、中国社会のあらゆる階層から広く尊敬を集めています。日本の七福神と同様に、吉祥の象徴として人気があり、掛け軸や陶磁器などによく描かれ、さまざまな芸術作品の題材となっています。
八仙人はそれぞれ、「男」「女」「老」「少」「富」「貴」「貧」「賤」という社会的属性を象徴しているとされます。また、八仙人それぞれが神通力を発揮するための法器を持っており、これらは「暗八仙(あんはっせん)」と呼ばれ、図案化されて装飾的なモチーフとしても用いられています。
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曹国舅(そう こっきゅう) –「貴」– 玉板(ぎょくばん)
元は貴族の出身であり、財産を投げ打って貧しい人々を救ったと伝えられています。
藍采和(らん さいか) –「貧」– 花籠(はなかご)
少年の姿をしており、破れた藍色の長衫をまとい、幅三寸ほどの黒い木の皮を帯として巻き、腰には墨で汚れた板をぶら下げています。片方の足には穴の空いた靴を履き、もう片方は裸足です。
張果(ちょう か) –「老」– 魚鼓(ぎょく)
敬意を込めて「張果老(ちょう かろう)」と呼ばれます。唐の玄宗の時代に宮廷に召され、さまざまな法術を披露しました。天宝年間に「尸解(しかい)」して仙人になったとされ、正史にもその名が記されています。
韓湘子(かん しょうし) –「少」– 笛(ふえ)
放蕩者であったものの、言ったことがすべて的中したとされる仙人です。
何仙姑(か せんこ) –「女」– 蓮の花(はすのはな)
八仙中で唯一の女性の仙人。人々のために山から薬草を採ったり、病人を診たり、さまざまな善行を行ったとされています。
李鉄拐(り てっかい) –「賤」– 葫蘆(ひょうたん)
「鉄拐(てっかい)」という名前は、鉄の杖をついて歩いたことに由来するとされます。ぼろぼろの衣をまとい、髪は乱れ、髭も長く、顔は汚れています。中国では医薬の神として信仰されています。
漢鍾離(かん しょうり) –「富」– 芭蕉扇(ばしょうせん)
頭に二つの髷を結い、太った腹をさらけ出した姿で描かれます。死者の魂を蘇らせる能力を持つとされています。
呂洞賓(りょ どうひん) –「男」– 剣(けん)
癒しの神、武神、試験の神、財神(金を採る神)、理髪師や文房具商人の守護神として信仰されています。彼の出家譚は「邯鄲の夢」として知られています。
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