古美術用語集

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古九谷

古九谷の産地には諸説ありますが、17世紀中頃に始まり、その後、 数十年間のみに焼かれた伊万里焼や九谷焼の色絵磁器の初期のものを 古九谷様式と総称しています。 伊万里焼の生産は、17世紀初頭に朝鮮半島から陶磁器の技術が伝来したことにより始まりました。最初の頃は上絵付けはできませんでしたが、17世紀中頃には技術の向上によってそれが可能となりました。この時期に作られた初期の上絵付け磁器が、まとめて「古

河井寛次郎

河井寛次郎 1890(明治23)年‐1966(昭和41)年 島根県生まれ。東京高等工業学校窯業科卒後、京都市陶磁器試験場に入所。京都市五条坂に窯を築き作陶を行う。東洋古陶磁の技法による作品を制作していたが、民藝運動に関わり、実用を意識した作品に取り組むようになる。多彩な釉薬を用い、重厚で変化に富んだ形の器を生み出した。晩年には独創的な造形表現を展開。文化勲章、人間国宝、芸術院会員への推薦を辞退

祥瑞

祥瑞は一般的に、中国江西省景徳鎮の民窯で焼かれた染付磁器を指し、主に明代末期の崇禎年間(1628~1644年)頃に日本からの注文に応じて作られたもので、日本で使われる呼称です。   古染付に比べて、祥瑞はより上質な胎土や顔料を使用し、器の形も端正に整えられ、丁寧に文様が描かれています。絵付けには吉祥模様が多く、連続した幾何学模様と組み合わされることもあります。   「祥

古染付

古染付は、一般的に中国の明代末期、特に天啓年間(1621~1627年)頃に江西省景徳鎮の民窯で焼かれた染付磁器を指し、日本で使われる呼称です。   これら民窯の染付磁器は、決して高品質な材料で作られているわけではありません。例えば、胎土と釉薬の収縮率の違いにより、器の曲がった部分などで釉薬が剥がれて胎土が露出することがあります。この現象は、まるで虫に食われたように見えるため「虫喰い」